鉄の楽器「波紋音(はもん)」。旅行で訪れたお寺で、初めて耳にした*水琴窟(すいきんくつ)の音に魅入られた斉藤鉄平氏が、その音のイメージを元に創作された楽器です。金属的な響きながらどこか朴訥な余韻が、妙に心を落ちつかしてくれます。
「波紋音(はもん)」は2つと同じものはなく、スリットの入れ方と全体の形状によって、すべてが違う音を持ちます。便宜上、楕円型・小・中・大という呼び名を使って注文するのですが、楕円型といっても1つ1つ音が違うということです。
音階があるのでもなく、ただ奏者の感性にゆだねられていて、叩く部位によって音の高さや響きが変わり、不思議な金属音が、重なり共鳴しあい、聴くものをやさしく包んでくれます。運びやすいので、よく持って出かけますが、この音を聴いた方は決まって「いいですね、私も欲しいです。」と言われます。
*水琴窟(すいきんくつ)・・・日本庭園の装飾の一つで、手水鉢の近くの地中に作りだした 空洞の中に水滴を落下させ、その際に発せられる音を反響させる仕掛け。(ウィキペデアより)